現地レポート世界LGBT事情を読む1(フロリダ銃乱射事件)

当事者としてLGBTから世界を透過して見てみるのも面白いかなと思い、アマゾンで購入しました。
ちらっと読んでみたのですが、現場の情景を文学的に記録しており、LGBT以外でも面白いご当地カルチャーが紹介されているようなので、挫けずに読んでここに記していきたいと思います(; ̄Д ̄)

目次を読むと、国別でざっと書けば以下の流れ。
アメリカ→東~東南アジア→欧州・ロシア→国連→中東(西アジア)→その他
南米、豪州もどこかにあるかも。
はじめます。

今年(2016年)6月、フロリダ州オーランドで起きた、ゲイクラブ『パルス』銃撃事件の取材から始まる。死亡者49名、負傷者53名。同性愛者を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)と疑われている。容疑者はアフガニスタン系の移民2世で、父親は有力なムスリムらしく、息子もモスクへの礼拝など戒律の教えの影響は受けている模様。彼自身も同性愛者であるとの情報もあるが、アメリカ大統領選挙が終わったあとも続報は届いていない。

日本の報道では当初、パルスが「同性愛者向け」のクラブであるとの情報が抜け落ちていて少しガッカリしました。海外ではきちんと報道されていたのに、「ナイトクラブ」と簡略した説明だけ。扇情的な報道は困るけど、重要な情報はきっちりと伝えて欲しかったなぁと。
事件の真相は未だ闇の中。日本のゲイツイッターでは容疑者がゲイであることを前提に、イスラムコミュニティでもゲイコニュティでも居場所のなかった当事者の犯行ではないか、との説を見かけます。ホモフォビア(同性愛嫌悪)はマジョリティだけではなく、マイノリティ自身でもなりえるということ。同性愛と同性愛嫌悪が同居する、情緒不安定なゲイのゲイ嫌いは珍しくないので、この線はありえますな(`ω´)
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話によると、パルスはオーランド最大のゲイディスコだそうです。しかし、ゲイやレズビアンの多いマイアミやフォートローダーデイル、ウィルソンマナーズと比べ、もともとオーランドはゲイフレンドリーな街ではなかったらしい…。ディズニーリゾートをはじめとする行楽地ができてから、なぜかゲイカルチャーが急速に充実したのだと。若者文化が育つところにゲイ文化は根付きやすいものなのか(・ω・)??
事件当時、パルスでは『ラテン・ナイト』のイベントが開催され、多くの有色人種が踊っていました。プエルトリコ、ドミニカ、グアテマラ、コロンビア、メキシコ、キューバなどのヒスパニック系・・もちろん、白人の犠牲者もいた。ヘテロ(異性愛者)もいた。まさに多様性・・。容疑者は多様性の狭間に苦しんだ被害者だったのかもしれません。

例年、オーランドでは国別のゲイプライドが開かれ、事件が起きた月も開催が予定されていた。プエルトリコ・プライド、キューバ・プライド、ドミニカ・プライド、オーランド・ブラック・プライド。自分の国の旗を掲げ、街を練り歩く。プライド・パレードを終える度にパーティが開かれる。マイノリティは日替わりで主役になる。

日本でも5月に東京レインボープライドが開かれます。『proud to be gay』、ゲイであることは恥(shame)ではない、誇りや自尊心(pride)を持て!という意味。欧米のゲイ解放運動で、よく唱えられるスローガンです。

でも、オーランドという一地区で日替わりランチのように国別ごとのパレードをしたら、お腹いっぱいになると思うのですが・・。街の住人全員が賛同するわけでもありませんから、ヤメロ!と苦情はこないのだろうか・・ 😐 
ゲイコミュニティのなかでも人種別に分断されているのか、それとも他国のプライドパレードにもお互いが協力する仲なのか。日本人の自分はここまで混雑するアイデンティティの渦を処理しきれません。
マイノリティ集団がマイノリティとしての共通項(属性)で連携しても、他の『属性』が違えば分裂の危機が生じます。属性の数が多くなればなるほど、衝突は深刻です。オーランドの住人が多様性に対し、どのようなアプローチをとっているのか、とても気になるところ。
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