5/12(2016/05/12)
主に先天性で占められる現代のゲイ。これに対し、環境や文化といった後天的な理由で行為に及ぶ者が多かった近代以前の男色文化。同じ同性愛でも原因が異なれば性質も異なる。最初のコメントで述べた通り、先天的なゲイは身体が男でありながら性的指向が男性に傾くのは、個人差はあるものの、脳の構造が女性脳に近いからだ。性的指向の話は性自認と峻別されやすいが実際は相対的で、「男の自分で男を愛する理想の関係」を瓦解したくないがため、女の部位を認めない、心根は女性なのに無理して男を演じようとする者もいる。男と女の思考や感情が交錯し合う不安定な心理状態を経験し、カミングアウトをしないクローゼットでも見た目や言動の雰囲気から男性としての違和感が綻びとして外に表れてしまうものである。女性的なゲイが集まれば、女同士特有の軋轢が生じる場合もある。ヒゲを生やしたマッチョな男たちが腹の探り合いをし、粘着的にお互いを角々しい言葉でけなし合う。奥深い嫉妬が漂う同族嫌悪。
5/12(2016/05/12)
ノンケからみれば下らないと一蹴されるであろうこの現象、何かに似ているなぁと思案していたら、とある記事をみて合点がいった。
「ママ友カーストにそっくり」
ママのなかには夫の収入や社会的地位、子の出来具合や自身が身につける品物で格付けし合う者がいる。誰かに命じられてやっているわけではないが、集団内で自然発生的に繰り広げられるマウンティング。何かがおかしい、構成員全員がそう気づいているけれど集団に敷かれたレールから降りることは許されない。やがて、心身はボロボロと辟易して脱落していくママたち。ママ友論を語り出し、ママを揶揄するママ。
ゲイの場合はそれがルックスに代わる。「二丁目に捨てるゴミなし」なんて真っ赤な嘘。ゲイは多様で『男の身体で男が好き』以外は一概に語り尽くせない世界ではあるが、歴然たる外見至上主義が幅を利かせているのは疑いのない事実。この世界の住人なれば嫌というほど思い知らされる。馬鹿馬鹿しい世界。
[the_ad_placement id=”%e6%89%8b%e5%8b%95%e3%81%a7%e9%85%8d%e7%bd%ae”]
5/12(2016/05/12)
…と泥沼劇ばかり綴ってしまったけれど、本音のゲイ論を外に吐き出して自らの悲劇を笑いに昇華することは、周りにとっても自分にとっても、現世を強く生きるためのエッセンスになったりもします。ときどき、縦横に暴言だけを撒き散らす、品性もセンスの欠片もない、女の腐ったような染みったれたゲイもいるが・・・。。
SATCやゴシップガール、牡丹と薔薇や大奥といったドロドロながらも人々の機微を鋭く突いた愛憎劇がゲイに好まれやすいのも、それらがゲイ論に通ずるからかもしれない。
5/13(2016/05/13)
「同性カップル、権利確定へ=カトリック牙城でもついに」
昨日、時事通信で一報が告げられる。イタリアで同性カップルに男女の夫婦に準じた権利を認める政府方針を下院が賛成多数(賛成372:反対51:棄権99)で支持した。これによりサミット参加国であるG7のうち、同性カップルの取扱いに関する法律がない国は日本だけとなる。
今回は同性婚ではなく、法律婚と類似の効果を得られるシビルユニオンだ。成人であればパートナーは法律上の配偶者と類似の地位を得られ、具体的にはパートナーと同じ姓を共有、パートナー死去時の年金受給や遺産相続の許可、パートナー間に貞操義務はないものの?、相互扶助義務が認められる。(貞操義務を定めなかった理由は不明だが、伊同性パートナーの浮気を懸念した試験的な意味合いを含むのかもしれない・・・)
パートナーの連れ子を養子に受け入れる文言は保守派の反対から見送られた。この点はイタリアのLGBT団体もご不満だったようで、ロイターも「原案と比較して著しく希薄」と酷評している。(法案への文言記載が見送られただけで、同性パートナーへの養子を受け入れる運用は禁止されていない。もっとも、それがなされるかは不明なところ)
イタリアにはローマ・カトリックの総本山であるバチカン市国がある。保守系キリスト教の影響からイタリアは西欧主要国の中で唯一、同性愛に関する法整備がなされなかったが、州レベルでは2004~5年に8つの州で民事連帯契約という、同棲以上婚姻未満の法的効果を認容していた。制定の契機については3組の同性カップルが国内での然るべき司法手続きを履践した後、欧州人権裁判所に異性愛者との婚姻不平等を理由に訴えていたらしい。
欧州人権裁判所はEU評議会加盟国を対象とし、国家間訴訟のみならず、個人間の人権侵害訴訟も管轄する。その判決効果は国内の最高司法機関の判断さえ覆すほどの強力な法的効力を有し(執行状況について問題点がないわけではないが)、過去には*同性愛を理由にイギリス空軍を解雇されたグループが同裁判所に解雇取り消しを求めて訴えを提起し、人権侵害と認定されている。昨年の7月、欧州人権裁判所は同性カップルへの人権侵害を認め、イタリア政府に対して賠償金を命じる判決を下した。
*当判決は、欧州人権条約8条(私生活及び家庭生活の尊重についての権利)違反に基づく。14条(差別禁止)は訴えの利益なしとして審査されなかったが、のちの裁判で性的指向による差別として14条違反を認める。
5/13(2016/05/13)
今年の1月にはイタリア国内で法制化への大規模なデモが行われ、中道左派のレンツィ首相の後押しもあり、2月に上院で可決(賛成173:反対71)。この段階で下院での可決見通しはなされており、今回、正式にシビルユニオンが誕生した。
レンツィ首相はfacebookに「今日は多くの人にとってお祝いの日だ」と投稿すると、反響を呼び、数多くのコメントがつく。イタリア語で書かれてあるコメント欄を翻訳で読むとやや賛成が多い印象か。ハートマークや虹の絵文字がある一方で、ゲロ吐きスタンプを押す者もいた。ここらへんのリアクションは日本人と同じ感じなのね(´-`).。oO
なにかと同性愛と対立するキリスト教だが、パートナーシップや一部地域まで考えると、意外と広汎なキリスト教圏で法制化が実現されており、イタリアの牙城が崩れたことで更に他のキリスト教圏に影響を与えることはあり得るかもしれない。今のところフランシスコ法王からのコメントはない。
*AFP通信によると、2016年6月26日、フランシスコ法王が「われわれキリスト教徒には、謝らねばならないことがたくさんある。今回のこと(同性愛者の待遇)に限らないが、私たちは許しを乞わなければならない。謝罪するだけでなく——許しを」「そうした状態(同性愛)の人が善良な人物で、神を求めているとしたら、その人を裁く資格が私たちにあるだろうか」と述べた。
宗教界では大きな激震が走ったらしい(; ゚Д゚)
内部から反対の声があがったのか、のちに同性婚反対の意を強調する。
[the_ad_placement id=”%e6%89%8b%e5%8b%95%e3%81%a7%e9%85%8d%e7%bd%ae”]
5/13(2016/05/13)
同性婚がある国の多くは前段階としてパートナーシップ制を踏む国が多いが、その多くは2000年代前半に作られ、同性婚法制化が実現されるまで10~15年前後かかっている。先日、同性婚が合法化されたコロンビアでも、2007年に同性間カップルへの社会保障の適用拡大をしていたことを考えれば、少なくとも10年ほど前から同性婚をめぐる議論や運動が行われていたはずである。
同性婚議論の代名詞になりつつある「LGBT」という言葉が日本で浸透したのは1年ちょっと。婚姻制度の改変は各々の文化や国民性を無視してはならず、性的指向を人権ベースで捉えるイデオロギーに懐疑的な日本人はまだ多いだろう。世界の潮流が正しいわけではないが、今までタブー視して議論を避けてきたツケが今になって回ってきた節はある。他国でうん十年とかかった出来事を諸外国や国連といった外圧に歪められることなく、日本で淀みのない議論が煮詰まるのか、一抹の不安を感じる。
*現状維持を望む当事者も多い。グローバル化しつつあるLGBT問題にどう対処していくべきか、今後の動向が注目される。
5/16(2016/05/16)
神戸新聞NEXTによると、兵庫県三田市が性的少数者支援について検討するらしい。記事はカネ払わんと読めんのですが、とある筋からの情報によると9日に性的マイノリティ支援検討委員会を設置、支援宣言やパートナーシップ証明発行などの検討に入る。
6月からパートナーシップ証明書を発行する宝塚市と隣接しているからか?6番目になるかはわからないけど、宝塚市は議会と市長との間で摩擦が幾度となくあったようだし、一体どうなるのか。引き続き、リサーチします|д´)
*現時点で新情報はなし。2016年11月6日、西宮市では市民企画講座の一環で性的少数者について学ぶ講義が開かれようだが、市長が過去の不良行為を自慢したことでちょっとした騒ぎになっている。マスコミの揚げ足取りにも思えるが。
5/16(2016/05/16)
自治体レベルでの支援活動(自分の知る限りで2019年2月現在)
・パートナーシップ(PS)制導入
渋谷区(条例)、世田谷区、伊賀市、宝塚市、那覇市
札幌市、港区、福岡市、中野区、千葉市、大阪市、中野区、大泉町。
・LGBT支援事業
淀川区、横浜市、関市、橋本市
・教員研修
群馬県教委会(10月予定)、宮崎県、他いろいろ?
PS検討中…
堺市、港区、名古屋市、さいたま市、長崎市、丸亀市、茨城県
他、性別欄の記載をなくしたり、柏などの学校では制服を選ぶ自由が認められる。
こういうのって突如ニュースに現るから、追っかけるの大変だわ(´Д`)
*細かいものを含めれば、他にもいろいろやられている模様。全て把握できず、挫折。。
LGBT団体のサイトに掲載されていると思いますので、気になった方はそちらをどうぞです。
雑記に戻る
コメント