―コスタリカ基本データ―
コスタリカ共和国
首都;サンホセ(高山都市)
人口;485万人
白人とインディアナの混血であるメスティソや
白人と黒人の混血ムラートで9割超。
言語;スペイン語
宗教;カトリック(国教)8割超(*信教の自由の保障あり)
面積;九州と四国を足したくらい。7つの州に分かれている。
主要産業;コーヒー バナナ(モノカルチャー経済から脱却しつつある)
軍隊;ないらしい!
主要援助国;日本が1位(700万$↑)これはアメリカの3倍弱ほどの支援額!(゚Д゚)
外交方針;
伝統的に平和善隣政策。国連・米州機構(OAS)を中心に外交を展開
2007年6月,台湾との外交関係を断絶し,中国との外交関係を開設。
→米州機構(OAS)
1948年、南北アメリカ21ヶ国で構成された同盟。
もとは冷戦時代に共産勢力の封じ込め政策の一環として組まれたが、
のちに中南米を支配するアメリカの道具となる。
しかし、2005年の事務総長選では米国が推す人物が落選し、
チリのインスルサ前内相が就任。アメリカの相対的地位の低下が露呈した。
2011年にはラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)が発足。
アメリカとカナダをメンバーから除外。全中南米33カ国の自主性を確立する。
主要政党;国民解放党(PLN)、キリスト教社会連合党(PUSC)←かつての二大政党
市民行動党(PAC)、自由主義運動(ML)、国家復興党(PREN)
・・・など多政党。
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2018年度・コスタリカ大統領選
今年2月4日に本選が行われたが、
候補者の誰もが40%を超える得票数を得られなかったため、
4月1日、2名で争う決選投票となった。
市民行動党;カルロス・アルバラド・ケサダ
国家復興党;ファブリシオ・アルバラド(歌手&テレビ司会者)
2人のアルバラドが対決する。
最大の焦点は『同性婚導入の是非』意外・・。
アルバラド氏は保守系のクリスチャンで反対。
福音派の組織をバッグに伝統的な家族を守る主張を展開。
一方、ケサダ氏は支持。
なぜ、コスタリカの大統領選挙で同性婚が争点となっているのか?
米州人権裁判所とよばれる地域的な人権救済機関の直近判決に由来する。
1969年、コスタリカの首都サンホセで開かれた全米人権専門会議で
米州人権条約が採択されたことを契機に、サンホセに設置された米州人権裁判所。
2018年1月、その裁判所でコスタリカ政府に
同性婚の合法化と性別変更の権利を求める司法判断が下された。
コスタリカの外交姿勢は、米州機構を通じた平和的な善隣外交を重視するとのことで、
条約加盟国で同性婚を認めたブラジル・アルゼンチン・メキシコ・コロンビアと歩調を合わせる一方で、
他の中南諸国のなかから人権大国として一歩リードしたい意欲があるのかもしれない。
また、米州人権裁判所が祖国に存することが、軍隊をもたないコスタリカ人のプライドの一端となり、
その判断に遵守すべき責任を感じている者もいるようだ。
なお、コスタリカ政府与党では、米州人権裁判所の採決を受け入れる姿勢を示したが、
保守派グループを中心に内政干渉との批判も高まっている。
■米州人権裁判所■
米州人権条約に基づいて設立された司法機関。
①争訟事件について法的拘束力のある判決を下す権限を有する。
ただし、アメリカとカナダはそもそも米州人権条約に批准していない。
おそらく自国の司法権を優先させたいからだろう。
また、米州人権裁判書の管轄権を受諾していない国には、
米州人権委員会が米州人権条約の解釈適用を行うにとどまる。
ちなみに、コスタリカは管轄権を受諾している。
②米州人権裁判所に訴えを提起できるのは当事国と米州人権委員会のみで、
個人レベルでの提訴はできない。
③米州人権裁判所は勧告的意見を出すことができる。
勧告的意見とは、条約の解釈適用について法的拘束力のない意見。
米州人権裁判所の創設以来、積極的に利用され、これまで21の勧告的意見が出されている。
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今回の選挙では有権者ではない子供にも擬似的な投票権を与えるイベントが行われている。
子供投票の様子がコスタリカのメディアで大きく報じられ、
選挙の盛り上がりに花を咲かせているそうだ。
コスタリカは中南米の中では最も進んだ民主主義国家といわれ、
選挙は民主主義の祭典という位置づけらしい。
選挙結果については、本稿に追記予定。
■コスタリカのLGBT事情■
同性愛行為の合法化 1971年
反差別法の制定 1998年
同性愛者の献血認容 2007年
2006年、最高裁判所が同性婚を政府に求める主張を退ける。
2013年、異性愛・同性愛カップル双方に限定的な福祉制度を認める法案が可決。
-追記-
開票率90%時点
カルロス・アルバラド・ケサダ 61%
ファブリシオ・アルバラド 39%
ケサダ氏の勝利が確定しました。
2月の選挙ではファブリシオ氏が優位でしたが、
3位以下の票がケサダ氏に流れたのでしょう。
38歳、史上最年少の大統領。
同性との結婚に反対する人が少なくない保守的なコスタリカですが、
今回の選挙は事実上、同性婚に関する国民投票であったとの意見もあります。
equality marriageの実現は近いかもしれません。
ー追記2ー
カルロス・アルバラド大統領が2020年5月26日から同性婚を認めると発表。
中南米ではブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ・コロンビアに次ぐ5カ国目。
(メキシコでは州単位複数、エクアドルとチリは事実婚を容認)。
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