雑記10(ジーマ・ヤコブレフ法とセルゲイ・マグニツキー法)


同性愛者から子供を防衛する。
同性婚が認められている国の同性カップル及び独身者が、ロシア国籍の孤児を養子にとることを禁ずる法案に、プーチンが署名する。同性愛者の子育てを疑問視する日本人は少なくないだろうが、プーチンの場合は子の保護という社会正義だけではなく、西側諸国、特に米国への牽制という重大な意義を有する。それを象徴するのがジーマ・ヤコブレフ法だ。
同法はアメリカ人によるロシア国籍の養子引き受けを禁じる。あからさまに米国を狙い撃ちするこの法案は、アメリカ人の養親の下で炎天下に放置されて死亡したロシアの子供の名が冠された。名目上は子の保護だが、ロシア人孤児の最大の引き受け先はアメリカで、アメリカ側から見ても引受け元で2番目に多いのがロシアだそうだ。ロシアでは孤児の置き去りが社会問題となっており、ジーマ・ヤコブレフ法はかえって孤児の保護に背くのではないのか。制定の背景には、ある事件を引き金とした、米国への強い敵視がある。


ジーマ・ヤコブレフ法の真意は、アメリカのセルゲイ・マグニツキー法への対抗手段と言われている。セルゲイ・マグニツキーは欧米企業に所属していたロシア人弁護士で、ロシア高官の国税払戻しに関する巨額横領事件を暴露した人物なのだが、告発の相手方の企みによって自身が脱税容疑で捕らえられてしまう。その後、取調べの際に激しい拷問を受けたのか、十分な治療も受けないまま、謎の獄中死を遂げる。アメリカはセルゲイ・マグニツキー事件で人権侵害に関与したロシア政府職員をリストアップし、米国への渡航禁止及び米国内資産を財務省の制裁下に置いた。これがセルゲイ・マグニツキー法の内容である。その後、マグツニキー事件の関与者は急に羽振りが良くなったり、異例の出世を果たす者がでたという。ロシア政府の闇は根深い…。
だが、ロシア国内で起きた事件に米国がここまで首を突っ込むのは内政干渉に思える。なぜ米国はここまでマグニツキー事件に拘るのか。ここで同性愛が絡む。


マルタ会談で東西冷戦が終結したとはいえ、以降もアメリカとロシアは何かと火花を散らしている。近年、新たな火種となっているテーマの1つが同性愛だ。2006年のモスクワパレード開催の試みから、ロシア政府は「LGBT」を厳重に警戒している。
「自由に生きたいから子どもを持たないのは本人のエゴでしかない。精神疾患に認定すべきだ。そもそもロシアにこんな歪んだ思想は存在しなかった。西側の不健康なプロパガンダで、家族を大切にするロシア的価値観を否定する米国の陰謀だ」。チャイルドフリーに対するミロノフの言葉だが、LGBTに対しても概ね同様の発言をロシアは繰り返す。LGBTは欧米文化、すなわち堕落した文化の所産。そのようなロシア的でない文化を根付かせるわけにはいかないと徹底的にしらみ潰す。セツゲイ・マグニツキー法の対抗手段として養子引受けの禁止を選んだのは、そういう意図もある。

*2012年度モスクワでのゲイ・プライド。
メディアの取材or抗議→護送車にホイホイ連行されている(;^ω^)
カメラを回している人はこうなることを承知で撮っている。
治安部隊よりも反同性愛の市民の方が権力のシガラミがない分、粗暴で怖い…。
LGBT問題のグローバル化を推し進めるオバマ大統領は、度々、ロシアの惨状に口出ししていた。
この点については、諸々を含めていつか書こうと思う。

ロシアのゲイの締め付けは目に余る。米国は「LGBT」を大義にロシアへ水を差す。
アメリカによる強情なLGBT外交がここでも見て取れる。
(結局、LGBTも建前の建前で本音は別のところにあるのでしょうけど…)
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プーチンに近い政治コンサルトが書いた記事によると、同性愛者は外国のスパイで、西欧のリベラル派がバックに付いていると、プーチンは考えているらしい。
プーチンの見方はあながち間違いではない。性的マイノリティは世界中に点在し、多くの国々にLGBT団体は存在する。その一部には海外のLGBT団体とグローバルな繋がりをもち、国境を越えて情報を共有し合っているという。ロシア国内では西欧からの活動家がモスクワのパレードに協力・参加したことで、同性愛宣伝禁止法に基づき、国外追放処分が下されたほどだ。また、主に欧米に本社を構える多国籍企業が、他国のLGBT運動に率先して資金面からバックアップをしている。今年の6月、シンガポールでは政府が国内でのLGBTに関する権利推進活動に、外国企業が支援や協賛をすることを禁じる事態に至った。これは加熱する賛成派と反対派の衝突を緩和させる措置との見方があるが、国内での決定事項に外国企業が影響を与えているのは事実である。

10/14(2016/10/14)
同性愛宣伝禁止法で自由刑が定められていないのは、財産刑にとどめておくことで人権制約の合理性を謳うだけではなく、海外からの資金提供を躊躇わせる意図がある。冷戦終結に向かう80年代のロシアでは、同性愛者らが外国から経済支援を受けていたのだが、海外からの資金援助を禁じる法律が制定されると、後ろ盾を失ったことで次々と政界から追放されてしまったらしい。自由刑では拘束しても、”次”がでてくる。背後に潜むパトロンを潰すには、財産刑で資金難に陥らせるのが効果的だ。
海外からの援助は、LGBTを人権レベルで考慮する思想が根底にある。だが、セクシャリティの扱いは自国の風土に合致するか否かという側面を有する(文化といいつつ為政者の都合で同性愛を禁止する国もあるのだが)。
仮に人権概念と捉えたとしても、内政干渉の問題が生ずる。国連での性的指向・性自認に関する声明では賛同国が過半数を占めるものの、アジアやアフリカ諸国は依然として反対派が多い。
二分する世界。すでに文化戦争は火蓋を切られている。

 

@追記@
アプリでゲイを装い、おびき出して狼藉を働き、
その様子をVK(ロシアのSNS)にアップする団体がいるらしい(((( ;゚д゚)))
occupy  pedophiliaという集団で、暴力的なネオナチなんだとか。
buzzfeedより。バリカンで虹色の刑(´;ω;`)
お風呂でゲイに黄色い液体をかけている動画を見て、オリーブオイルかな?と思ったら、
おしっこだったw(゚Д゚)w尿セラピーといってゲイがなおるんだって。。

ロシア語版のsiriが同性愛嫌悪の返答をしていたことが判明(Gigazine)
ぶっ(′∀`)
現在は直っている模様。
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