雑記5(指向と嗜好)

嗜好と指向。嗜好とは、あるものを好むこと。指向とは、ある方向に向かうこと。性的指向は恋愛対象が男女のいずれか、もしくは双方に向くか。
日本では【性】の一文字を読むと、性行為や性交渉といったセックスを連想する人が多い。だから「性の多様性」というと「セックスの多様性」に読み替えられ、どうしても性交渉の話に傾倒されやすいことから、”指向”の使用は選択余地の意味合いを含む趣味嗜好とは別問題にしたい意図がみえる。最近では、性的指向を人権ベースで捉える風潮が欧米を中心に広まり、さらに指向性を押し上げている。
嗜好ではなく指向と称する由来は、同性愛(や両性愛)の先天性だ。これは現在の精神医学界と同じ見解で、第二次性徴期前から同性愛を自覚する者は少なくないのだが、留意すべき点は必ずしも全員がそうとは言い切れない点である。後天的とみられるゲイがいる一方で、バイセクシャルでその始まりが先天か後天か不明な者もいるという。

先天と後天が入り混じる点が厄介ではあるが、先天性を強調すれば本人の自助努力では為しえない人格的側面をアピールできるので、政治利用の場面では何かと都合が良い。
他方で、同性愛は性的嗜好であり、性癖の一部と解する背景には、同性愛への嫌悪感や同性愛者に対する画一的なイメージのほか、公的支援不要の論拠、本人の意思に寄らずとも次世代の養育責任を放棄しているという異性愛との決定的な違いを強調する、あるいは同性愛に利己性を感じている意見が見受けられた。指向の出発点が先天であれ、究極の嗜好が指向と把握することはできるかも??しれない。野球好きな人にとって野球がかけがえのない生き甲斐となるように、個人の趣味がアイデンティティの重要な要素となりえるからだ。
一般的には先天性故に性的指向と解釈されているが、自分なりに補足すると以下のように考えている。

5/18(2016/05/18)
性とは性別、性の多様性は『男女のあり方』の多様性
男は男として女を愛する
女は女として男を愛する
生物学的にも?合致する、キリスト教的道徳観に基づいた従来の男女のあり方。これを基本としながら、その枠外にも性(男女のあり方)が存在するという『指摘』が性的指向と性自認。性的指向は必ずしも性行為だけではなく、「性に基づいた生き方」を包含する。
既婚者ゲイという例外を除き、ゲイは独身で「ゲイ」を基本軸として生きていく。ゲイコミュニティに姿をほとんど現さないゲイもいるが、自分の周りのゲイたちは仕事以外ではあまりノンケとつるまず、ゲイ同士で固まって交流している。同じ者同士が芸能ニュースや男の恋愛など、とりとめのない話題で盛り上がり、ゲイの飲み会で知り合いを増やし、SNSではゲイのアカウントで多くの仲間たちとネットワークで繋り、ホームパーティを催して自作の料理を振る舞い、ひと時を楽しむ。

5/18(2016/05/18)
なかには特定のパートナーと結ばれて同じ屋根の下で暮らし、互いに助け合いながら苦難を乗り越え、生き抜く者がいる。上手くいかずに関係が解消されてしまったら、仲間内で悲喜交々を語り合う。ときにはゲイバーやクラブイベントに参加し、”ゲイ”という共通項で世代や職業を超えた付き合いを広げ、各々が独自のゲイライフを楽しむ。同じ属性を持つ者達が集い、交流の輪は次第と大きくなって、世間から隔絶された独特のカルチャーも形成された。ゲイの世界はサラダボウル社会のように多種多様なゲイ種が独立共存するが、各々のゲイコミュニティは閉鎖的ながらも、おぼろげな一つの巨大な枠組みに囚われる。自分にとって”ゲイ”とは、自己と分かつことのできないアイデンティティの一部でありつつ、同時に不確実性を有しながらも確かな帰属意識を持つ集団社会に類する何か。

5/18(2016/05/18)
ちょっとまって・・・。

肉体関係を除けば、オタサーに似ているような・・?
オタクがオタ同士集い、オタ話で盛り上がり、飲みに行き、オタクのホームパーティはダサそうだけど、オタイベントに参加して、”オタ”という共通項で世代や職業を超えたオタライフを楽しむ…。
いうなれば、ゲイはちん○んオタサー…??
(*´`*;;)
[the_ad_placement id=”%e6%89%8b%e5%8b%95%e3%81%a7%e9%85%8d%e7%bd%ae”]

5/18(2016/05/18)
否、とりわけ、特定のパートナーがいるゲイにとっては、趣味嗜好で付き合っていると容易く断ぜられない。同性婚がないので準婚(事実婚)とも扱われないが、彼らは自主的に相互扶助を行いながら共に生活をしている。何かと色狂いが騒がれるゲイの世界ではあるが、真摯な付き合いを保つ真面目なゲイがいるのも確か。やや特異な点が見受けられるケースもあるが、男同士の愛については別枠でいつか綴ろうと思う。
同性愛における「性に基づく生き方」を嗜好と捉えるか、指向と捉えるかは、皆さんの価値判断に委ねることとする。自分のスタンスは先天タイプのゲイっ子という立場と、一生付き合わなければならないゲイ的価値観から、性的指向を選択している。
マジョリティのなかで性に基づく多様な生き方があり、マイノリティのなかにも性に基づく多様な生き方がある。性に対する価値観は茫洋かつ深淵で、自分なりの答えが出来上がるのはまだ先かな。

5/19(2016/05/19)
■メキシコ同性婚合法化
つい最近コロンビアで同性婚合法化、イタリアでシビル・ユニオン、そしてメキシコで同性婚合法化。短期間でタイミング良すぎでは…(;’∀’)?LGBTの勢いがとどまる所を知らない。日本ではポツポツと小さく報じられるが、2000年代前半とここ2~3年の間で急速な変化が見られる。
旧宗主国であるスペインの影響を受けるメキシコはカトリック教国ではあるが、2009年、首都メキシコシティ市で同性婚と同性カップルによる養子縁組が合法化されて以来、32州のうち8州で同性婚が認められていた。同性婚を禁止する州ではメキシコ最高裁から特別命令を受ける必要があり、2010年から同命令を提供している。2015年、婚姻を男女の組み合わせに限定するのは憲法違反と下し、各州に同性婚法制化を促す。2016年5月17日、ニエト大統領が憲法改正提案に署名した。
*メキシコは、連邦議会で出席議員2/3以上の賛成と各州における州議会過半数の承認手続きを要する硬性憲法なのに、2002年までに408条の憲法改正をしているらしい。
雑記に戻る

雑記
スポンサーリンク
data-matched-content-rows-num=”2” data-matched-content-columns-num=”4”
青空ジャンク

コメント